約 2,656,805 件
https://w.atwiki.jp/mekameka/pages/1584.html
The Elder Scrolls IV Oblivion ジ・エルダースクロールズ・フォー・オブリビオン 2K Games 2006年3 月20日 windows The Elder Scrolls??のシリーズ4作目。 広大なオープンワールドマップと、AI行動するNPC等、自由度の高いRPGとして有名 日本ではPS3.Xb360にローカライズされ移植された The Elder Scrolls IV:オブリビオン Game of the Year Edition 『オブリビオン』に、拡張パック『The Elder Scrolls IV ナイツ・オブ・ザ・ナイン』『The Elder Scrolls IV シヴァリング ・アイルズ』も収録した完全版バージョンとして、PS3.Xb360で発売 ですが、PS3版では打撃音が鳴らない等バグが多数報告され、これって未完成版じぇねぇ??オブリ無音・・・とか言われてるソース
https://w.atwiki.jp/ps3-cs/pages/122.html
トップページ > ソフトウェア > 発売済みリスト > The Elder Scrolls IV:オブリビオン The Elder Scrolls IV:オブリビオン 公式サイト http //www.spike.co.jp/oblivion/ 製品名 The Elder Scrolls IV:オブリビオン 発売日 初回版2007年9月27日:(PLAYSTATION3 the Best 2008年9月4日)2008年10月30日:シヴァリングアイルズ2008年10月30日 Game of the Year Edition 価格 初回版8,190円(PLAYSTATION3 the Best 3,990円)シヴァリングアイルズ:3,990円Game of the Year Edition:7,140円 ジャンル 3D RPG 発売元 スパイク 人数 1人 オンライン最大 メディア Blu-ray Disc 対象年齢 CERO D 17才以上対象 備考 Amazon.co.jp商品紹介より 攻略サイト 他にもありましたら追記をお願いします。(作りかけで更新停滞/終了しているサイトは除外) 簡易ゲーム評価(5点満点。) 選択肢 投票 5 (51) 4 (0) 3 (0) 2 (0) 1 (3) ゲームの感想を一言お願いします。 名前 コメント top
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/256.html
豚の子供たち ティストン・ベイン 著 たとえダゴス・ウルの山の最も高齢なダークエルフであっても、太古の孤高の賢者その人であっても、オークたちがタムリエルを蝕んでいなかった時代を記憶してはいないであろう。オークを生み出したのがオブリビオンのどの汚らわしいデイドラなのかは定かではないが、タムリエルの文明を有する諸種族にとって醜悪なオークほど脅威であり続ける存在はいないのではないだろうか。 オークは幸い他の人型種族とは区別がしやすく、身長が40ペルタン、体重が1500アンゲイド程度となるその体格、その豚のような凶暴そうな風貌、そしてその体臭が特徴的である。オークは常に攻撃的で、おぞましいほど不道徳で、教養は愚者にも劣り、不潔この上無い。タムリエルの文明を有する諸種族が遥か昔にこの地からオークを一掃してしまっていて然るべきではあるものの、オークはその凶暴性、動物的な機転、そして同族に対する奇妙なまでの忠誠心ゆえ、汚れた池にヒルがいるがごとく、この世にしぶとく存続している。 オークの蛮行については書き記された記録以前から伝えられているが、ジャスティアガが第一紀950年に記した、ダイアグナ一党が「邪悪なオークたちを汚らわしくも堅牢なオルシニウムに押しとどめておき、いずれ浄化の炎で焼くために」ダガーフォールとセンチネルの軍に加わったという記述を読むと、読者がオークの野蛮さを知っていることを前提に書いているのがわかる。三十年後、ガイデン・シンジを含む多くの英雄の犠牲の上に攻城戦がようやく集結し、オルシニウムの破壊により生き残ったオークたちがロスガリアン山脈中に散らばると、彼女は「太古からの邪悪な敵が散り散りになったことで、自由の民たちは大いに喜んだ」と記している。オークたちがイリアック湾周辺の地域に対し、遅くとも第一紀初期以来脅威となり続けていたのは自明である。 民族・風習・言語 茶1
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/189.html
狂気の十六の協約 第六巻 ハーシーンの物語 常に尊大で高慢なオブリビオンの憤怒の王子は、年央月のある木曜日にスカイリムの極寒の頂に立ち、旨みのある話をハーシーンに持ちかけた。狩人の神はその日が自分の日であったために姿を現していて、シェオゴラスの大胆さが彼の興味をそそったのだ。 比類なき皮肉さを持つシェオゴラスは、クスクス笑う愚か者と、派手な作家、臆病な切断者を、自らの世界に押さえ込んでいる。憤怒の王子は得をしない駆け引きに精を出し、他者の混乱と悲劇と憤激がもたらす喜びに過ぎない無意味な流血を促すだろう。つまりシェオゴラスは、自分がハーシーンの好敵手を演じるためのお膳立てをしたのだ。 恥ずかしがりの王子はあわてることなく、争いを申し出た。それぞれの王子は、きっかり3年後に再びこの場所で会い、命懸けの戦いをするために、野獣を調教することになった。恐ろしい顔つきの陰に無表情さを浮かべてハーシーンは同意し、吹きだまりにわずかな雪のみを残して、王子たちはそれぞれの世界に去った。 ハーシーンは自信があったが、シェオゴラスが詐欺師であることも知っていたため、隠された世界において、密かに醜悪な物を育んだ。彼は太古のデイドロスを召喚し、邪悪な狼つきの呪いを吹き込んだのである。暗黒の心と尖った牙がもたらす恐怖は、ハーシーンの領内にいる偉大な狩人たちにとってさえ、とても言葉では言い表せない、他に類を見ない物だった。 3年目の定められていた日にハーシーンは戻ってきて、そこではシェオゴラスが足を組んで石にもたれかかり、口笛を吹いて、眠そうにしながらも辛抱強く待っていた。狩りの王子は槍を地面に刺し、うなり声を上げる不自然な巨獣を呼び出した。シェオゴラスはいつものように意味ありげに帽子を持ち上げて見せ、立ち上がって脇に身を寄せ、石の上に留まっていた色彩豊かな小鳥の姿を明らかにした。激しい突風の中で、小鳥はかろうじて聞こえる控えめな声でさえずった。 身をよじるようにして跳ねたデイドロスは石に飛びかかり、巨石があった場所にがれきのみを残した。勝利を確信した怪物の血まみれの口は、丸まってあざけるような笑みとなったが、控えめな歌がすがすがしい空気に漂った。小さな鳥は、怒り狂うデイドロスの鼻の周りを軽やかに跳ね回った。大きな獣の恐ろしげな両目の間で、ウロコに挟まった物をついばむちっぽけな生き物の姿を、穏やかな陽気さを浮かべてシェオゴラスは眺めた。憤激の吠え声を上げながら、狼めいた物は厄介者を引きちぎろうとして我を忘れた。争いは何時間も続き、ハーシーンは、自分が生み出した最良の獣が、無邪気な鳥を追い回すうちに次第に自滅していく姿を、恥ずかしげに見ていた。その間ずっと、鳥は自分だけに聞こえるぐらいの範囲内で悲しげな調べをさえずっていた。 激怒しながらも打ちのめされたハーシーンは、ズタズタになった獣の死体を焼き、忘れられた言葉で悪態をつきながら、自分の世界に引き下がった。彼の呪いは今でもその頂にとどまっているため、ぼんやりと見えるその高地に込められた彼の激怒を恐れて、旅の者は誰もが素早く通り過ぎようとする。 シェオゴラスは振り返り、自分の肩に留まるよう、小さな鳴き鳥に手招きしてから、アビシアン海岸の暖かいそよ風と鮮やかな日の光を目指して、ゆっくりと山を下りた。タムリエルで最も小さなチャンピオンがさえずる調べに合わせて、口笛を吹きながら。 SI 神話・宗教 茶4 狂気の十六の協約 第九巻 ヴァーミルナの物語 ダリアス・シャノは気がつけば全力で走っていた。 一体何から逃げているのか、あるいはどこに向かっているのか自分でも分かっていなかったが、構わなかった。欲望が心を支配していた。逃亡すること以外に、この世には何もなかった。身を置くことができる場所、あるいは目標地点として使える場所を求めて辺りを見回してみたが、無駄だった。見渡す限りどこまでも、これまで駆け抜けてきたのと同じ平凡な草原が続いていた。「とにかく走り続けよう」と彼は思った。「できる限り速く走らなければ」。彼はひたすら走り続けた。視界にも心にも、何の目当てもないまま…… 静かに寝床に横たわるダリアス・シャノのそばに立って見下ろすのは、彼の女主人である夢の織り手ヴァーミルナと、マッドゴッドのシェオゴラスだった。ヴァーミルナは弟子である彼を誇らしげに見下ろし、自分の小さな宝石について自慢げな様子だった。 「この者には素晴らしい可能性がある! 私が夢の刺激を通じて文才を育んで結実させたおかげで、今や彼は新しい歌人および詩人として喝采を浴びている! きっと、私が飽き飽きしないうちに、大いなる支持を獲得するでしょうね」。シェオゴラスもまた、若きブレトンの芸術家をじっと見つめ、彼が人間たちの間で実に有名であることを見て取った。 「ふうむ」シェオゴラスが考え込み、「お前が作ったこの人間を憎む者は何人いる? その憎しみは、人間たちが愛ではなく偉大さを支持するが故の物だ。これを完成させられるのは確かなのか?」 ヴァーミルナが少し顔を曇らせた。「そうね。人間たちは本当に愚かでつまらない行動に出ることが良くあるし、最も勇敢な者たちの多くが嫌悪されていることも事実だわ。でも心配しないで。この者にはいろんな形での偉大さを達成させ、他の者たちには憎しみを手に入れさせる力が私にはあるから」 「夢の織り手よ、その力を持つのが誰であるかを示せたら、愉快だと思わないか? この人間に対する愚かでごう慢な憎しみを10年間かき立ててくれたら、私も同じようにしよう。そうすれば、いかなるデイドラからの助力や邪魔立てにも頼らずに、誰の才能が最も効果的なのか、分かるという物だ」 これを聞いて、彼女は自信ありげな喜びの表情を浮かべた。「マッドゴッドの力は確かに強大だけど、この任務は私のスキルに向いているわ。人間たちは憤怒に強い嫌悪を感じるけど、憎むほどだと思うことはまずない。私はこの人間の潜在意識からもっと微妙な恐怖を引き出すことができるし、そのことをあなたに示せるのを楽しみにしてるわ」 そうして、人生の19年目にダリアス・シャノが体験していた夢は、変化し始めた。彼にとって恐怖は常に夜の一部であったのだが、今やそこには別の何かがあった。暗闇が彼の眠りに忍び込むようになり、その暗闇があらゆる感情と色を吸い尽くして、空しさだけを残したのだ。それが起きた時、彼は叫び声を上げようとして口を開いたのだが、暗闇が声までも奪ってしまったことに気がついた。今や彼には恐怖心と空虚さしかなく、夜はいつも、死についての新たな理解で彼を満たすのだった。それでも、目覚めるともう恐怖心はなかった。女主人には何か目的があることを、彼は信じていたからだ。 実際、ある晩、ヴァーミルナ自身が虚空から姿を現したのだ。彼女はかがみ込んで、彼の耳にささやきかけた。 「気をつけなさい、愛する者よ!」。それと同時に彼女は虚空を消し去り、それからは毎晩延々と、自然界における最も恐ろしい猟奇的な光景をダリアスに見せた。人間たちが皮をはがれて他の人間たちに生きたまま食べられたり、いくつもの手足と口を持つような想像を絶する獣が現れたり、全人類が焼き尽くされたりして、彼の夜はいつも叫び声に満ちることになった。やがてそれらの光景が彼の魂をむしばみ始め、悪夢に登場する者たちが彼の作品の中に取り込まれるようになっていった。夜に見た光景がページの上に再生され、彼の作品に描かれている極度の残虐性と虚しい背徳の世界は、大衆に反感を抱かせると同時に魅了する物でもあった。あらゆる細かなことにまで反感を覚えては、彼らは大いに喜んだ。彼の衝撃的な作品をあからさまに楽しむ者たちもいたが、そういった一部の者たちからの人気は、彼を嫌悪する者たちの憎しみをかき立てるだけだった。そんなことが何年か続くうち、ダリアスの悪名は着実に高まった。そして、人生の29年目に入った時、何の前触れもなしに、夢と悪夢はぴたりと止んでしまったのだった。 夜ごとの苦悩から解放されて、ダリアスは重荷が取り除かれたように感じたが、混乱もしていた。「何か、女主人の気に障ることをしてしまったんだろうか?」と、彼は声に出して悩んだ。「なぜ彼女は僕を見捨てたのだろう?」。ヴァーミルナは決して彼の祈りに答えなかった。誰も答える者がいないまま、不安な夢は消え去り、ダリアスは長く深い眠りに落ちた。 ダリアス・シャノの作品に寄せられた興味は次第に薄れていった。彼の散文は新鮮みを失い、かつてのような衝撃や怒りを誘発することはなくなった。その悪名と恐ろしい夢の記憶が消えていくに従い、心の中で疑問が駆けめぐり、やがて、かつての女主人ヴァーミルナに対する憤りを彼は感じるようになった。憤りは憎しみとなり、憎しみはあざけりとなり、やがてあざけりが不信となった。ヴァーミルナは彼に全く話しかけていなかったということが、次第に明らかになった。彼の夢は、病んだ心が自らを正そうとして生み出された物に過ぎなかったのだ。彼は自分の潜在意識に欺かれ、怒りと恥辱に圧倒されたのだ。かつて神と会話を交わしたはずの男の心は、確実に異教へと向かっていった。 敵意、疑念、冒とく的な心がやがてダリアスの中で結集し、その後のすべての作品を貫く創造的な哲学となった。彼は神々に挑み、彼らを崇拝するという堕落した状態にある幼稚な大衆にも挑んだ。誰に対しても全く容赦せず、屈折した風刺で彼らを嘲笑した。本当に存在するなら自分を打ち倒してみろと、彼は公然と神々に挑み、そのような天罰が下されないと見るや、さらに彼らを冷笑した。これらすべてのことに対して、人々は、以前の彼の作品に対して示したそれを圧倒的に上回る憤激を持って反応した。以前の彼の作品は人の感性のみを傷つける物だったが、今や人々の心に直接的に攻撃を加えていた。 彼の作品は規模も激しさも大きくなっていった。寺院、貴族、一般人など、すべてが彼の侮蔑の対象になった。39歳になった時、ついにダリアスは「最も高貴な愚か者」という作品を書き、皇帝神タイバー・セプティムが哀れな九大神教団に溶け込んだことをあざ笑った。やはりこの成り上がり者によって過去に侮辱されていた地元ダエニアの王は、これが好機だと感じた。帝国に対する冒とく的行為によりダリアス・シャノは、喝采を送るたくさんの群衆の前で、儀式用の剣によって処刑された。彼の最後の辛らつな言葉が、血まみれの口からゴボゴボと吐き出された。 最初の賭けから20年後、ヴァーミルナとシェオゴラスは、首を失ったダリアス・シャノの死体を挟んで出会った。夢の織り手はこの再会を待ち望んでいた。行動を起こさなかったデイドラの王子と対決する時を、何年も待っていたのだ。 「あなたにはだまされたわ、シェオゴラス! 約束した私のほうの半分は実行したのに、あなたに与えられた10年間、一度もあの人間に接触しなかったでしょう。彼の偉大さは、あなた自身にも、あなたの才能にも、あなたの影響にも、まるで恩恵を受けていないわ!」 「ばかばかしい」とマッドゴッドがしわがれ声で言った。「私はずっと彼についていた! お前の時間が終わって私の時間が始まった時、彼の耳にささやきかけたお前の声は、静寂に代わった。彼が最も大きな安らぎと意義を得ていたそのささやきへのつながりを断つことにより、あの生物が死に物狂いで求めていた注目を抑えさせたのだ。女主人を失ったこの男の個性は、恨みと憎しみによって成熟することになった。彼の敵意は完全な物となり、怒りによって増幅された憤怒に圧倒されて、彼は永遠の召使いとして我が世界で私を楽しませることになった」 シェオゴラスは振り向き、傍らの虚空に向かって語りかけた。 「実際、ダリアス・シャノは輝かしい人間だった。人々にも、王にも、そして彼が冷笑した神々にまで、嫌悪されていた。勝ったのは私だから、ヴァーミルナの信奉者を60人、我が軍に受け入れることにしよう。夢見る者たちはやがて、マッドマンとして目覚めるだろう。 こうしてシェオゴラスは、憤怒がなければ夢はなく、創造もないことをヴァーミルナに教えたのだった。ヴァーミルナは決してこの教訓を忘れないだろう。 SI 神話・宗教 茶4 狂気の十六の協約 第十二巻 マラキャスの物語 オルシニウムの発見が為される前の時代、疎外されていたオークの民は、我々の時代における彼らの子孫が慣れているそれよりずっと厳しくおびただしい追放と迫害の対象となっていた。そのため多くのオーシマーのチャンピオンが、同胞の増殖のために境界を強化しながら旅をした。たくさんのチャンピオンたちが今でも語りぐさとなっており、その呪いの軍団には、無毛のグロンマと、気高いエンメグ・グロ=カイラも含まれている。後者の聖戦士は、あるデイドラの王子たちに目をつけられることがなければ、タムリエル中に知られる伝説的存在へと間違いなくのし上がっていたはずである。 エンメグ・グロ=カイラはある若い女性の庶子として生まれたが、母親は彼の出産と共に亡くなっていた。そのため、現在はノルマル高地と呼ばれている山に住む彼の部族、グリリカマウグの、シャーマンに育てられることになった。15歳の後半になってから、エンメグは部族における成人の儀式に従い、手の込んだウロコ鎧を一式、自分で鍛造して作った。ある風の強い日、エンメグは最後の鋲を打ち込み、分厚い外套の上に重いマントを羽織って、村から永遠に旅立った。隊商を盗賊の手から守ったり、奴隷にされた獣人を解放したりといった英雄的行為の噂が、常に故郷にまで届いた。気高いオークの聖戦士の噂はブレトンの者たちにまで喜々として語られるようになったが、わずかばかりの恐怖心を伴って伝えられることも多かった。 成人に達してから2年も経っていなかったある晩、グロ=カイラがテントを張っていると、どんよりとした闇の中から呼びかけるか細い声が聞こえた。明らかにオークの者ではない口から自分の部族の言葉が出るのを聞いて、彼は驚いた。 「カイラ卿よ」と声は語りかけ、「お前の功績が多くの者たちの口に伝っており、私の耳にも届いたのだ」。エンメグが暗闇に目をこらすと、ぼんやりとしたたき火に揺らめくように、外套をまとった者のシルエットがどうにか見えた。声のみで判断すると、侵入者は老婆かと思われたのだが、細かい所までは何も分からないものの、どうやらきゃしゃでひょろっとした体つきの男がそこにいるようだった。 「そうかもしれません。」と、慎重なオークは答え、「しかし私は栄光を求めてはいません。あなたは誰なのですか?」 質問を無視して、そのよそ者は話を続けた。「にもかかわらず、オーシマーよ、栄光はお前にもたらされた。そしてそれに見合う贈り物を私は携えている」。訪問者は外套をわずかに開き、淡い月の光にかすかにきらめくボタンだけをのぞかせながら、一つの包みを取り出し、二人の間にあるたき火のそばに放り投げた。その物に巻かれたぼろ切れを注意深く取り除くと、凝った装飾の柄を持つ、幅の広い弓なりの刃が出てきて、エンメグは驚嘆した。剣はずっしりと重く、実際に振ってみると、手の込んだ柄がかなりの重さを持つ刃とのバランスを保つという実用的な役割を果たしていることが、エンメグには分かった。今の状態では特にどうということがないようにも見えるが、汚れを落とし、取れてしまっている宝石を元通りにすれば、自分の十倍もの評価を持つチャンピオンにもふさわしい剣になるだろうと思われた。 「剣の名はネブ=クレセンだ」と、その価値を認めて顔を輝かせるグロ=カイラを見ながら、やせたよそ者が言った。「私は暖かい地方で、1頭の馬とある秘密とを差し出して、それを手に入れた。だがこの年齢になっては、そんな武器を持ち上げられるだけでも幸運というものだ。お前のような者に渡すことこそ、正しいことと言えるだろう。その剣を手にすれば、お前の人生は永遠に変わることになる」。鍛え上げられた弓なりの鋼鉄に夢中になる気持ちをひとまず抑え、エンメグは訪問者に注意を戻した。 「お言葉はもっともですが、ご老人、」あえて疑念を隠さずにエンメグが言った「私も馬鹿ではありません。交換によってこの剣を手に入れたのなら、今夜もまた、何かと交換するつもりでしょう。望みは何です?」。よそ者が肩の力を抜き、黄昏時にやってきた真の目的を明らかにしてくれたので、エンメグは喜んだ。よそ者と一緒にしばらく座り込んだ後、風変わりな武器との交換品として、たくさんの毛皮と、温かい食事、一握りの硬貨を彼に差し出した。朝が来る前に、よそ者は去っていった。 エンメグがよそ者と出会った翌週は、ネブ=クレセンが鞘から抜かれることはなかった。森で敵に遭遇することはなかったし、食事は弓矢で捕まえた鳥や小さめの獲物で賄っていたからだ。安らかでいられることが心地よかったが、7日目の朝、低く垂れ下がった大枝の間にまだ霧が立ち込めていた頃、深い雪と森の堆積物をザクザクと踏みしだく確かな足音が近くで発せられているのを、エンメグの耳は聞き取った。 エンメグは鼻の穴をひくひくさせてみたが、彼のほうが風上だった。訪問者の姿も匂いも分からず、しかも自分の匂いがそよ風に乗ってその相手のほうへと流れていることを知ったエンメグは警戒を強め、ネブ=クレセンを慎重に鞘から抜いた。次に何が起きたのか、エンメグ自身にも完全には分からなかった。 ネブ=クレセンを抜いてからの最初の記憶としてエンメグ・グロ=カイラの意識に残っているのは、弓なりの剣が目の前でさっと振られ、森の地面を覆う汚れなき粉雪に血が飛び散った光景だった。次に記憶にあるのは、激しく血を欲する感情が自分に忍び寄ってきたことだったが、その時になって初めて、彼は犠牲となった者の姿を目にしたのだった。それはおそらく彼より少し若いと思われるオークの女性で、その身体には、屈強な男を10回は殺せるほどのむごたらしい傷が一面についていた。 それまで彼を包んでいた狂気を嫌悪感が圧倒し、自らの全意志に後押しされるような形で彼は握りしめていたネブ=クレセンを放り投げた。耳障りな音を立てながら剣は宙を切り裂き、雪の吹き溜まりに埋まった。恥ずかしさと恐怖を感じたエンメグは、昇る太陽からの批判の視線を避けるかのように外套の頭巾で顔を隠して、その場から逃げ去った。 エンメグ・グロ=カイラが同族の一人を殺害した現場は、ゾッとするような有り様だった。死体の首から下は見分けもつかないほど斬りつけられて損なわれていたのに、無傷の顔は絶望的な恐怖の表情をしたまま凍りついていたのだ。 この場所でシェオゴラスがある儀式を行ってマラキャスを召喚して、デイドラの主である二人は、ひどく損なわれた死体の前で問い詰め合った。 「なぜこれを私に見せるのだ、マッドゴッド?」。言葉を失うほど激怒していた状態から立ち直って、マラキャスが口を開いた。「我が子らの殺害を嘆き悲しむ姿を眺めて、楽しもうとでも言うのか?」。ガラガラとした声を轟かせながらそう言うと、オーシマーの守護者である彼は責めるような目で相手を見つめた。 「生まれに関しては、彼女はお前の物だ。落ちこぼれの兄弟よ」。いかめしい顔つきと態度でシェオゴラスが話し始めた。「だが自らの習性により、彼女は私の娘になったのだ。私の悲嘆は決してお前のそれに劣る物ではないし、憤激もまた然りだ」 「それはどうか分からないが、」マラキャスが声を轟かせ「この罪に対する報復が私の役割であることは確かだ。貴様との争いなど望んではいない。下がっていてくれ」。恐怖の王子が押しのけて通り過ぎようとすると、シェオゴラス閣下が再び話し始めた。 「お前の報復を邪魔するつもりは全くない。実際、私はお前を助けたいのだ。この荒野には私の召使いがいて、我々の共通の敵がどこにいるのかを教えることができる。ただ、お前には私が選んだ武器を使ってもらいたい。私の剣で罪人を傷つけて、私の平面へと追いやって、私自身の罰を受けさせてやって欲しい。名誉のための殺人をする権利は、お前にある」 その申し出にマラキャスは同意し、幅広の剣をシェオゴラスから受け取ってその場を後にした。 マラキャスは殺害者の行く手に姿を現した。外套を身にまとった彼の姿は、猛吹雪の中にかすんで見えた。周囲の木をしおれさせるほど汚らわしい悪態の言葉をがなり立てながら、マラキャスは剣を抜き、野生の狐よりも素早く相手との距離を縮めていった。烈火のごとく怒った彼は滑らかな弧を描くようにして剣を振り、敵の首をきれいに切り払った。さらにその刃を胸に突き刺して柄の部分まで押し込み、血が噴き出すのを抑えたため、ウロコ鎧と重い外套の下で赤い泡の染みがじわじわと広がっていった。 予期せぬ慌ただしさと憤激を込めて殺害を行ったマラキャスは息を切らし、激しく傷ついて仰向けに倒れた死体と、大きな平たい石の上に無様に乗っかった首を前にして、片膝をついて休んだ。すると突然、静寂を打ち破る音が聞こえてきた。 「わ、悪かった……」。そう吐き出した声は、エンメグ・グロ=カイラの物だった。マラキャスが目を見開き、切断された頭を見つめると、傷口から血が染み出しているというのに、まだそれが生きていることが分かった。その瞳は激しく揺れ動き、前にいるマラキャスの姿に焦点を合わせようとしていた。かつて誇りに満ちていたチャンピオンの瞳は、深い悲しみと苦しみ、そして混乱がもたらす涙で一杯になっていた。 恐ろしいことに、ここに至って初めてマラキャスはあることに気がついた。彼が殺した男は、彼にとってオーシマーの子の一人であるというだけでなく、文字どおり、彼が今から幾年か前にあるオークの乙女に授けた息子だったのだ。落胆と衝撃に包まれて、二人はしばらくの間、痛々しく見つめ合った。 やがて、油を塗った鉄のごとき静けさで、シェオゴラスがその空き地まで歩いてやって来た。そしてエンメグ・グロ=カイラの切断された首を持ち上げ、小さな灰色の袋に放り込んだ。シェオゴラスはネブ=クレセンを死体から引き抜くと、背を向けて去っていった。マラキャスは立ち上がりかけたが、取り返しがつかないほど我が子を破滅させてシェオゴラスの領域へと送ってしまったことを知り、再びひざまずいた。そして、しわがれた声で弁明をする息子の声が凍える地平線へと消えていく中で、己の失敗を嘆き続けたのだった。 SI 神話・宗教 茶4
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/20.html
炎と闇:死の同志たち イニル・ゴーミング 著 「同志よ、憎悪の試練にも屈しなかった血のきずなで結ばれたおまえを、今でも同志と呼ぶ。今では必然とも思える俺の死だが、たとえ殺されようとも、これだけは覚えておけ、同志よ。我々は無垢ではない。故にお互いに向けられた敵意は悲劇ではなく、恐怖である。毒殺や寝首を掻き、突然矢が放たれ、巧みにダガーを使う、静かな、闇の中の戦いの終わりは、俺には見えてこない。和解の可能性はない。部屋の中では影が動いているが、ロウソクの炎は微動だにしない。これが俺の……」 この覚え書きは第二紀358年にノルドの村、ジャレンハイムにある廃屋の床下から発見された。物静かな靴職人が住んでいたといわれているが、34年前にタムリエル全土で禁止された暗殺者のギルド、あの恐ろしいモラグ・トングの一員であったと一部の人たちからはささやかれている。靴職人が突然消えてしまったかのように、家そのものはきちんと整頓されていた。覚え書きには一滴の血が付いていた。 闇の一党が訪れたのである。 この覚え書きや、これに近いものが発見されることは非常に珍しい。モラグ・トングも、そこから憎まれつつ派生した闇の一党も、証拠品を残すことに関して神経を尖らせている──各自、団の秘密を漏らす行為は致命的な違反であると理解しているからである。これは当然、彼らの過去を辿ろうとする歴史家の任務を困難にするものである。 多くの学者によると、モラグ・トングは当初からモロウウィンドをそのまま映し出したようなものであった。モロウウィンドの太古の名前であるレスデインの歴史には、団の特質である暗殺、血の生けにえや、宗教への熱狂がはびこっていた。モラグ・トングは今も昔もデイドラの王子メファーラの名誉のために殺人を犯したと一般的には言われているが、一般の仮説が全面的に正しいことは稀である。当初のトングはメファーラに加えて、さらに古く邪悪な神を崇拝していたというのが私の主張である。オブリビオンの王子は恐ろしいが、彼らはさらに巨大な悪を崇拝していたし、今でもそうしている。 第一紀の暗殺命令書は、モラグ・トングの最初の理念を垣間見ることができる貴重な資料だ。今日の令状と違わず淡々と書かれているが、暗殺命令書の多くには、何百年もの間、学者たちを困惑させてきた詩の断片が含まれている。「舌足らずが歯擦音でささやく」「天空の甘い支配」「非常な罪の臭うくちづけ」など、他にも奇妙な、正気を失ったような命令書への書き込みは、目標の名前や彼らの居場所、そして暗殺の時刻などを伝える暗号であった。また、これらはシシスと言う神聖な霊への直接的引例でもあった。 モラグ・トングの暗殺における専門技術の証拠はほとんど必要ない。彼らは我慢強く有能で、道具の使い方に精通している為、彼らの殺害の企てを逃れた数名の事例は共通して珍しく、注目に値する。有名な鍛冶師の私物の中から発見された手紙の切れ端は、我々の保管室に以前から封印されている。おそらく、団のための武器を注文する際に、一般には知られていないトングの暗殺者によって書かれたものであり、彼らが武器に何を求めていたかを知る手掛かりを提供していると共に、トングが引退した工作員を送っていた、ヴヌーラ島に関しても触れている。 「あなたのダガーの芸術性、平衡性、重量、これらに対して賛辞を述べる。ナイフの刃は剃刀のように薄く、上品に鍛造されているが、実用性がない。動脈は切られたときに自己治癒する性質があり、出血を妨げてしまうため、もっと大胆な刃が必要だ。私は新しい道具の検品をしに、2週間後にヴヌーラを発つ。できあがったものがもっと満足のいく品であることを願う」 モラグ・トングは第二紀の早い時期に、静かにタムリエル全土に広がり、これまでにも行ってきたとおり、メファーラとシシスを血で崇めた。 モラグ・トングが皇帝レマンを第一紀2920年に、彼の後継者ポテンテイト・ヴェルシデュ・シャイエを第二紀324年に暗殺したとき、非常に長い影の中にいた暗殺者たちは突然光の下へと押し出された。彼らは殺人に文字通り酔いしれ、壁に「モラグ・トング」とポテンテイトの血で書き記した。 モラグ・トングは瞬間的に、そして何の異議を唱えるものもなくタムリエルの隅々で禁止された。本国であるモロウウィンドを除いて。モロウウィンドだけは、西の他地方との関係を完全に断ち切ってしまっている議会の承認を受け、活動を続けた。その土地では、うわべだけの合法的な存在を続け、闇の令状を引き受けて、罰せられることなく殺しを続けていた。 大多数の学者は闇の一党、非宗教的で利益のために殺人を犯す暗殺者の一団の誕生は、宗教的な分裂の結果だと信じている。双方の秘密性を考慮すると、本質を推測するのは困難ではあるが、ある種の理論的な仮説は立てられる。 モラグ・トングはその存続の為にモロウウィンドの最高権力に訴えかけたのは間違いなく、それは当時の第二紀、アルマレクシア、ソーサ・シル、ヴィヴェックから成る裁決機関以外は考えられない。トングがシシスと共に崇拝したメファーラはヴィヴェックの前身であると言われていた。存続を許されるための見返りに、トングがメファーラの崇拝を止め、ヴィヴェックを崇拝したと推測するのが論理的ではなかろうか。 モラグ・トングは我々の知る通り、シシスの崇拝を続けている。闇の一党はたいていの人々から宗教的な集団とは見なされておらず、非宗教的でゴールドのために殺しを提供する組織と考えられている。しかし、私は令状の中で、闇の一党が他のどんなデイドラよりもシシスを崇めていた証拠を見つけた。 そうなると読者諸君は、ではどこに分裂の原因があるのか、と問うだろう。お互いに極めて近い存在でありながら、どうしてこんな静かな戦いが始まったのか。ともに暗殺者のギルドであり、結果的にはシシスを崇めているではないか。しかし、そこでこの仮説を唱える人々を止めてしまう人物が歴史から浮かび上がる。 夜母。 夜母が誰なのか、どこから来たのか、彼女の機能が何なのかは誰も知らない。概ね良い歴史考証がされたカルロヴァック・タウンウェイの歴史小説『2920:第一紀の最後の都市』の中で、彼は夜母をモラグ・トングの指導者として描くことを試みている。しかし、彼女は歴史的に闇の一党とのみ結び付けられており、トングとは一切関わりがない。 我が愛する友よ。夜母とは、メファーラのことである。裁決機関の命令によって拘束されない西の闇の一党は、メファーラの崇拝を続けた。彼女を名前で呼ばないかもしれないが、殺人、性行為、秘密のデイドラは彼らの指導者であることに変わりはない。そして今も昔も、彼女をないがしろにした同胞を許してはいない。 第二紀に最後を遂げた靴職人、闇の一党とトングの戦いの終わりが見えないといった彼の感覚は、正しかった。帝都の闇の中で、死の同志たちは戦い続け、おそらく永遠に戦い続けるだろう。 デイドラの神像関連 歴史・伝記 茶2 闇の一党関連
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/172.html
2920 黄昏の月(11巻) 第一紀 最後の年 カルロヴァック・タウンウェイ 著 2920年 黄昏の月2日 テル・アルーン (モロウウィンド) 「男が一人謁見に来ております」と、衛兵が夜母に声をかけた。「帝都軍の要塞が置かれたギデオン地方ブラック・マーシュから来たコスリンギー族のズーク卿と申しております。信任状もあるそうです」 夜母は不快な表情を浮かべ、「私が会いたいと思える人物ですか?」 「帝都にいらした女帝の手紙を預かっているというのです」 「まったく忙しいというのに……」と、夜母は笑みをたたえながらも、すばやく手を打ち鳴らし、「お通しして」と告げた。 ズークは謁見室に通された。唯一露出している顔や手は、金属的に光る肌をのぞかせ、暖炉の炎や外の嵐の夜の稲妻を反射させた。夜母は、ズークの目に映っている自分の穏やかで美しい、恐怖をかきたてるような姿に気付いた。ズークは物言わず、ただ女帝から預かった手紙を手渡した。夜母はグラスにワインを注ぎ、手紙を読み始めた。 夜母は読み終えた手紙を折りたたみながらこう言った。「今年の頭に、モロウウィンドのデュークからも皇帝の暗殺計画を持ちかけられました。今となってはその報酬も海の底に沈んでしまいましたが。これ以上のやっかいごとは御免こうむりたいの。ただでさえ、宮廷に手下をまわすのが大変だったのですから。そもそもお金はちゃんとご用意できて? 死者からお金をせびるわけにもいかないですからね」 「用意できております」と、ズークは率直に答えた。「外に待たせてある馬車の中にあります」 「では、それをここへお持ちくだされば、すべてが丸く収まります」と、夜母は笑って答えた。「皇帝は今年の暮れには命を落とすことになるでしょう。お金はアパラディスに渡してから帰っておくれ。それとも、ご一緒にワインでもいかが?」 ズークは夜母の申し出を丁重に断り、謁見室をあとにした。部屋を出た際、ミラモールが闇色のタペストリーから音もなくすっと出てきた。夜母はミラモールにワインを勧め、彼はグラスを受け取った。 「あの男のことはよく知っております」と、ミラモールは慎重に答えた。「だが、亡き女帝に仕えていたとは知らなかった」 「よければあなたの考えを聞かせて頂戴」と、夜母は言った。ミラモールが断らないことを知っていたのである。 「私の優秀ぶりをお見せいたしましょう。皇帝が独りになれば間違いなく、息子と同様に世から消してみせましょう。私は身を隠すこともできます。先ほど、タペストリーの後ろから物音立てずに現れたことをご覧いただけましたかと思います」 夜母は微笑んだ。 「あたなたがダガーの一つでも使いこなせたら、ボドラムで殺してみせるでしょう」と、夜母はミラモールにこれからの暗殺の手順を説明したのであった。 2920年 黄昏の月3日 モーンホールド (モロウウィンド) デュークは窓の外をじっと眺めていた。四日目の早朝。窓は赤い霧にすっぽり覆われて、稲妻の閃光が走っていた。通りには吹き荒れる風が巻きおこり、城の旗を強くなびかせ、家々の窓を固く閉じさせた。何か不吉な事が起こりそうな予感であった。彼自身、学識はそれほど高くはなかったが、彼の家臣も同様に、これから何か悪いことが起こりそうな気配を感じていた。 「伝令はいつ届くのだ?」と、デュークは城主に向かってうなるように言った。 「ヴィヴェック様は皇帝と協定交渉のため、遥か北の方へいらっしゃるのです」と、城主は恐怖におびえながら言った。「アルマレクシア様とソーサ・シル様はネクロムにいらっしゃいます。数日内には連絡をつけられると思われます。」 デュークは頷いた。確かに伝令が到着するのも速いだろうが、それよりもオブリビオンの手の方が速いことを知っていたのだった。 2920年 黄昏の月6日 ボドラム (モロウウィンド) 松明の火の光が霧のような雪に反射し、まるでそこは別世界のようであった。双方のテントから出てきた兵士たちが、大きなかがり火のまわりに集まった。冬の寒さは、敵対する者たちでさえも固く寄り添わさせるが、一方で帝都の言葉を話せる少数のダンマーとの暖を奪い合う戦いの場となることもあった。そんなかがり火へ、美しいレッドガードの娘が同じく暖を取ろうと雪の中を歩いてくるも、すぐさま協定交渉が行なわれているテントに引っ込んでいった。そして、双方の兵士たちの目線は、娘の入っていったテントに釘付けとなった。 皇帝レマン三世はこの交渉をすぐさま切り上げたかった。ひと月前の彼であったならば、ヴィヴェック率いる軍隊には負けたものの、うまくおさまったとして喜んでいたかもしれないが、思いのほかこの場所で起こった悪夢がまざまざと蘇ってきたのであった。ヴェルシデュ・シャイエの主張によると、川はその石によって元から赤いと言われているが、戦死した兵士の血によって赤く染まっているようにも見えるのであった。 「これで協定を結ぶ準備が整った」と、皇帝はコルダから熱いユエルの入ったグラスを受け取りながら言った。「しかし、ここは調印にはふさわしくない場所だ。この歴史に残る儀式は帝都の厳かな王宮で行なうべきだ。アルマレクシア、そしてウィザードも連れてくるがよい」 「ソーサ・シルです」と、ヴェルシデュ・シャイエは耳打ちした。 「時はいつ?」と、ヴィヴェックは辛抱強く問いただした。 「ちょうど本日より8ヶ月後に……」皇帝は笑顔をふりまきながら、ぎこちなく立ち上がった。「華やかな舞踏会を準備して祝おう。では、散歩に出掛けてくる。コルダ、この寒さで脚がひきつってしまったようだ。一緒に歩いてくれないか?」 「もちろん御供いたします、陛下」と、コルダは返答し、皇帝を支えながらテントの出口へと連れて行った。 「私も御供しましょうか、陛下?」と、ヴェルシデュ・シャイエは訪ねた。 「私もよろしいでしょうか?」と、最近新たに相談役として宮廷に招かれたセンチャルのドローゼル王も尋ねてきた。 「必要ない。すぐに戻る」と、皇帝はそう言って断った。 ミラモールは8ヶ月前と同じように林の中に身を潜めていた。前と違うのは地面が雪で覆われ、木々が氷と化しているところだ。ちょっと動くだけでも音がするのであった。ちょうどその時、かがり火を囲んだ2つの軍隊、モロウウィンド軍と帝都軍が歌う大音響の二部合唱が聞こえてこなければ、ミラモールは皇帝らのそばへとこっそり近づくことはできなかっただろう。氷できらめく木々に囲まれた崖の下で、皇帝とコルダとヴェルシデュの3人は、流れの凍りついた小河を眺めて立っていた。 ミラモールはそっとダガーを鞘から抜き出した。彼はやや自分の剣の腕前を誇張して夜母に話していた。実際、皇子の喉を掻き切れたのは皇子を襲う際、相手に臨戦態勢に入るすきをまったく与えなかったからであった。しかし、今回の相手は年老いた一人の男。この簡単な殺しに、どれほどの剣の腕が必要だというのだろうか? そして絶好のタイミングが訪れたのだった。森の奥深くで皇帝の側を歩いていたコルダが、奇妙な形をした氷柱を見つけ、駆け出していったのである。皇帝は笑みを浮かべながら、その場に残った。兵士たちの歌声の聞こえる崖の方を向き、暗殺者に背を見せた。ついに、その瞬間がやってきた。ミラモールは氷の地面に用心しながら、皇帝に近づき、攻撃した。だが、失敗した。 突如、背後から抱え込まれ喉に強い一撃を食らったのであった。ミラモールは声も出なかった。皇帝は依然として崖を見上げたままだった。林の中に引きずり込まれ、背中からバッサリと切り殺されたミラモールの存在などまったく気づかなかったのであった。 皇帝は連れの者と崖のキャンプ場に戻っていった。そして、吹き出す血が凍りついた地面の上で結晶になりゆくさまをミラモールはただ見ていただけだった。 2920年 黄昏の月12日 モーンホールド (モロウウィンド) モーンホールド城の中庭は、燃え盛る炎と化し、その火は沸き立つような雲を突き抜けていった。厚い煙が通りを駆け抜け、木や紙、燃えそうなものすべてを焼き尽くしていった。物陰に避難していた住人たちはコウモリに似た生き物たちに襲われ、追い立てられるように表に出たところを今度は軍隊の前へと現れることになった。モーンホールドの完全たる崩壊を唯一妨げていたのは、飛び散っていく濡れた血ぐらいであった。 メエルーンズ・デイゴンは崩れいく城を見つめながら、微笑んだ。 「これを見逃すところだったとは……」と、混乱する街中で声を轟かせて言った。「最高のショーだ」 彼は、赤黒い影の渦巻く空の中に針のように細い閃光のようなものを捉えた。光を発しているもとに目を追うと、街を見下ろす丘の上にいる男女二人の姿に辿り着いた。白いローブを身にまとったその男はすぐにソーサ・シルとわかった。なぜならソーサ・シルはここ最近オブリビオンの王子たちのところを駈けずり回っていたからだ。 「モーンホールドのデュークを探しているなら、残念だがここにはいない」と、メエルーンズ・デイゴンは笑って答えた。「だが、もしかしたら今度雨が降ったときには彼の破片に会えるかもしれないな」 「デイドラよ、貴方を殺すことはできません」と、アルマレクシアは決心したように言った。「だが、すぐに後悔することになるでしょう」 その生ける神2人とオブリビオンの王子との戦いの火蓋は、モーンホールドの廃墟の中、切って落とされた。 2920年 黄昏の月17日 テル・アルーン (モロウウィンド) 「夜母様」と、衛兵は声をかけた。「帝都の代理人様からご連絡が入っております」 夜母は書面を注意深く読んだ。計画は無事成功、ミラモールはまんまと捕まり、殺された。皇帝の警備は手薄となった。夜母は早速、返事をした。 2920年 黄昏の月18日 バルモラ (モロウウィンド) 表情の読めない顔つきのソーサ・シルは、宮廷前の大広間でヴィヴェックと挨拶を交わした。ボドラムでのテントでその戦いの知らせを聞いたヴィヴェックは、目にも留まらぬスピードでダゴス─ウルでの危険も顧みず、何マイルもの距離を駆け抜けていった。船を走らせる途中、南方の空に赤い雲が渦巻くのが見え、以前戦いが、それも昼夜問わず続いているのが見て取れた。ニーシスに着いた彼はソーサ・シルから送られた伝令を受け取ったが、そこにはバルモラに戻るよう書かれてあった。 「アルマレクシアはどこに?」 「奥へ……」と、弱りきった声でソーサ・シルは答えた。下顎には長く醜い切り傷が刻み込まれていた。「アルマレクシアは怪我を負ったが、メエルーンズ・デイゴンも当分の間オブリビオンから戻ってはこられないだろう」 アルマレクシアはシルクのベッドに横たわり、ヴィヴェックの治癒師から治療を受けていた。彼女の唇は石のように灰色に染まり、巻きつけられた包帯からは血がにじみ出ていた。ヴィヴェックは彼女の冷たい手を取った。アルマレクシアは口を動かしたが、言葉にならなかった。彼女は夢の中にいた。 炎が渦巻く嵐の中、彼女は再びメエルーンズ・デイゴンと戦っていた。夜空に飛び散る火花と崩れた城の黒い跡に囲まれていた。デイドラの爪が彼女の腹を深くえぐり、メエルーンズの首に手をかけ必死に抵抗するも、腹の傷口部分から体中の静脈へと毒が回っていった。地面へと叩きつけられながら彼女が目にしたのは、炎に飲まれたモーンホールド城ではなかった。帝都の王宮であった。 2920年 黄昏の月24日 シロディール (帝都) 冬の強風が街を駆け抜け、帝都の王宮にあるガラス製のドームの窓を打ち付けた。揺さぶられる灯りの光線は不思議な陰影を描いていた。 皇帝は大宴会の準備を、家臣たちに大声で指示していた。それは皇帝にとって、戦よりも好きな行事であった。ドローゼル王も先頭に立ち、演目の仕切りをしていた。皇帝は自ら献立に口を出すなどしていた。焼いたニブフィッシュの魚、かぼちゃのマロー、クリームスープ、バターで炒めたヘレラック、コッドスクラムそしてアスピックなどが並んだ。ヴェルシデュも意見を述べたが、それにしてもアカヴィルの味覚は非常に変わっていた。 陽が落ちると、コルダは皇帝の自室へ行き、皇帝と一夜を過ごした。 時は星霜の月へと続く。 物語(歴史小説) 茶3
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/42.html
汝 我々を以下と見なすがいい 死 敗北 そして恐怖と 我々は死することはない 死を恐れることもない 肉体を破壊すればアニマスは闇へと追いやられる だがアニマスはいずれ戻ってくる だが我々全てが勇猛なわけではない 我々は苦痛を感じ それを恐れる 我々は恥を感じ それを恐れる 我々は損失を感じ それを恐れる 我々は闇を憎み それを恐れる スキャンプは考えが小さく 恐怖も小さい ヴェルマイは考えが無く 恐怖も無い ドレモラは考えが深く 恐怖を知り 克服しなければならない 一族の縛り 我々は 我々の意志で他者に仕える 我々は加護を得るため 強きものに仕える 一族は伝統に沿って仕えるが 伝統が変わることもある ドレモラは長きに渡りデイゴンに仕えているが 初めからそうではなかった 誓いの縛りが固く 相互に信用がある時 伝統も固くなる 誓いの縛りが弱ければ 苦痛と 恥と 損失と 闇と 大いなる恐怖に繋がる 我々が人族をどう思っているか 汝は スキャンプを滑稽に思い ヴェルマイを粗野に思うかもしれない ならば 我々が汝らをどう思っているか わかるか? 汝らは獲物であり 我々は狩人なのである スキャンプは猟犬であり ヴェルマイは勢子なのである 汝らの肉は旨く 狩りは良き余興である 汝らが狐や兎を讃え その機転や素早さを褒め 猟犬がその肉を裂くのを惜しく思うのと同じく 我々は時に獲物を褒め それが我々の罠や追い立てをかいくぐると密かに喝采を送るのである だが 万物の例に漏れず 汝らはやがて廃れ 荒れていく 齢を重ね 醜く 弱く 愚かな存在へと成り果てる 遅かれ早かれ 汝らは失われるのである 時に獲物が踵を返し 我々に噛みつくことがある だがそれも些事に過ぎぬ 傷ついたり疲れたとしても 我々はその場から飛び去り 回復するだけである 時に価値あるものが失われることもあるが その危険があればこそ 狩りの楽しみも高まるのである 人族の謎 人族は定命であり 死と挫折から逃れられぬ運命にある 我々が理解できぬのは 汝らが何故 絶望せずにいられるかである メインクエスト関連 民族・風習・言語 赤3
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/48414.html
神代の豪機 オブリビオン【Ⅱ】 (OSR) (無) (26) 進化クリーチャー:ガーディアン/リキッド・ピープル/パラサイトワーム /ヒューマノイド/ビーストウォーク/ロスト・パラドクス(41000) ■このクリーチャーは召喚以外で場に出せない。 ■F進化──自分の場のカード名の異なるクリーチャー5体を 重ねた上に置く。 ■このクリーチャーの召喚コストを、進化元のクリーチャーの コストの合計数下げてもよい。ただし、コストは5以下に ならない。 ■このクリーチャーが召喚されたとき、相手の手札を全て山札に 戻してシャッフルし、相手の場のクリーチャー全てを手札に戻し 、相手の墓地のカードを全て相手のマナに置く。 ■相手のマナにカードが置かれたとき、それはタップされ、 このクリーチャーが場にいるかぎり、相手のマナはアンタップ しない。 ■ブロッカー ■このクリーチャーは相手のシールドを全てブレイクする。 ■このクリーチャーは、クリーチャーの能力・効果で場を 離れない。 作者:RoseCrown 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/111.html
タムリエルの秘宝 以下は私が過去数世紀にわたって集めてきた、想像を絶する重要性を持った品々に関する覚え書きである。そのいずれもタムリエルの至る所で繰り返し目撃され、所持され、失われてきた。一部は伝説で、その他はでっち上げかもしれない。しかし、それにも関わらず、多くの人々がこれら誰もが欲しがる品々を追って、または守ろうとして、命を落としてきた。 領主の鎧 この太古のキュイラスは卓越した品質を誇り、時にはモーリアウスの鎧、またはキナレスの贈り物と呼ばれる。この鎧は着用者に、体力吸収(小)と呪文抵抗の特殊能力を与え、使用した際には自分自身を解毒する。キナレスが着用者のことを相応しくないと判断した場合、領主の鎧は取り上げられ、次の選ばれし者のために隠されると伝えられている。 檀の鎧 黒檀の鎧は、歴史以前にダークエルフの女神ボエシアによって作られた胸当てである。黒檀の鎧を誰が、どれくらいの期間所持するかを決めるのは彼女である。値すると判断された場合、着用時に追加火炎耐性とマジカ耐性を付加し、魔法の盾が与えられる。もはや黒檀の鎧を持つには不適格であると判断するのはボエシアのみであり、また、女神はとても気まぐれである。 破呪の盾 一見ドゥーマーのタワーシールドに見える破呪の盾は、タムリエルの秘宝のなかでももっとも古い遺物の1つである。ロールケン・シャリドールの戦いでの歴史的重要性に加え、破呪の盾は呪文を反射するか、呪文を唱えようとしている魔術師を沈黙させ、盾を装備しているものをほぼ完全にウォーロックから保護してくれる。破呪の盾はいまだに初代の所有者を探していると伝えられ、他の者の手中には長く留まらない。常人には、破呪の盾をどれだけの期間であれ所持することは、十分な力なのである。 クライサメル パラディンの剣はそれ自身の防御力のみが上回れる攻撃能力をもっている太古のクレイモアである。装備するものに体力と炎からの保護を与え、装備するものに対して唱えられた呪文を術者へと反射する。1人のチャンピオンをひいきしないため、少しの期間であってもクライサメルが剣士によって帯剣されることは稀であった。 マグナスの杖 タムリエルの秘宝の中でも古いほうであるマグナスの杖は、生みの親であるマグナスにとって、超自然的道具の類であった。使用されると、敵の体力と神秘のエネルギーを吸収する。やがてその杖は、所持する者が強力になりすぎて、杖自らが保護を誓った神秘の均衡を狂わす前に魔術師の下を離れる。 ウォーロックの指輪 アークメイジであるシラベインのウォーロックの指輪は、神話や作り話の遺物のなかでも最も人気があるうちの1つである。タムリエルの古代史の中で、シラベインは指輪の思慮深い利用法によって大陸全土を救った。それ以降、この指輪はシラベイン程の崇高な目標を持たない冒険者たちの手助けを行ってきた。この指輪は、着用者に向けて唱えられた呪文を反射する特殊能力と、速度上昇と、体力回復の特殊能力で最もよく知られている。この指輪はシラベインのみが命令できると言われているため、長期間にわたってウォーロックの指輪を着用できる冒険者はいない。 フィナスターの指輪 フィナスターの指輪は、冒険的な人生を生き抜くために、良質な防具を必要としていた男によって、何百年も前に作られた。指輪のおかげでフィナスターは何百年もの間生き続け、それ以降、指輪は人から人へと持ち主が変わった。その指輪は、着用者の毒、マジカ、雷撃への全体的耐性を高める。しかし、フィナスターは抜け目なくその指輪に、フィナスター以外とはどこにいても不満になり、いずれは仮の所有者の手を離れ、他の居場所へと消えていくよう呪いをかけた。 カジートの指輪 カジートの指輪は、その指輪を有名にした盗賊ラジンより何百年も古い太古の遺物である。指輪の力を使って自分を透明にし、疾風の如く迅速にしたのがラジンであった。彼は、指輪のおかげでエルスウェーア史上、もっとも成功した泥棒になった。ラジンがその後どうなったかは謎だが、伝説によると、指輪はそのような使われ方に反発し、敵の目前で消えて彼を置き去りにしたと伝えられている。 モラグ・バルのメイス 吸血鬼のメイスとしても知られるモラグ・バルのメイスは、相手のマジカを流出させ、装備しているものに与える。そのメイスには敵の腕力を装備者に移し変える特殊能力もある。モラグ・バルは彼の秘宝を惜しみなく使っていたようだ。そのメイスに関する伝説は数多くある。この武器は、ウィザードの克服に好まれるようだ。 クラヴィカスの仮面 うぬぼれの強いクラヴィカス・ヴァイルは、彼自身の人格に相応しいマスクを作った。マスクの所有者は、タムリエルの住人から良い反応を得られやすい。人格が高ければ高いほどボーナスは大きい。一番知られているマスクの話は、多少は名の知れている、貴族婦人アヴァレアの物語である。幼少の頃、彼女は悪質な召使いによって、ひどく醜くされてしまった。アヴァレアはクラヴィカス・ヴァイルと暗黒の取引を交わし、見返りにマスクを受け取った。マスクは彼女の外見を変えることはなかったが、急に万人から敬われ、称賛された。広い人脈を持った男爵と結婚してから1年と1日後、クラヴィカス・ヴァイルはマスクを取り戻した。アヴァレアは彼の子を身篭っていたが、男爵の一家から追い出された。21年と1日後、アヴァレアの娘が男爵を殺してあだ討ちをなした。 メエルーンズの剃刀 闇の一党はこの黒檀のダガーを何世代にもわたって切望してきた。この伝説上の秘宝はどのような生物であっても、一瞬にして葬ることが可能であるとされている。メエルーンズの剃刀の所持者は歴史上、1人も記録されていない。しかし、闇の一党は一度、内部の酷い権力争いによって壊滅している。それには、このメエルーンズの剃刀が関係していたと疑われている。 生皮のキュイラス ハーシーンのもう1つの秘宝は生皮のキュイラスであった。このキュイラスはマジカに抵抗する特別な特殊能力があった。伝説によると、ハーシーンは彼の狩猟場から逃げ出せた、最初で最後の人間に、彼の皮を褒美として与えたと伝えられている。この無名な人間は、この魔法のキュイラスにその皮を縫いこませた。生皮のキュイラスは、あたかも自分の意思を持っているかのように英雄から英雄へと移り行く傾向がある。 苦い慈悲の槍 苦い慈悲の槍は、他にも増して謎めいている秘宝の1つである。この槍に関して知られていることは皆無か、それに等しい。歴史の記録はないが、多くの人々はデイドラが起源であると信じている。唯一知られている伝説は、バトルスフィア陥落の際に、偉大な英雄がそれを使ったということだ。その英雄はメエルーンズ・デイゴンを倒し、バトルスフィアを奪還する際にその槍の力を借りた。それ以降、苦い慈悲の槍はタムリエルにあまりその姿を現していない。 デイドラの災厄 デイドラの災厄はフィックルダイアーの炎の中で、神聖な黒檀から鍛造された巨大なメイスである。マッカーンの伝説的な武器であり、かつては、暗黒の霊をオブリビオンへと送り返すために使われた凄まじい武器であった。この武器には、オブリビオンから魔物を召喚する特殊能力がある。一度はバトルスフィアにて、デイドラの領主たちに対して使われた武器であるが、今は全土を冒険者たちとともに転々としている。 影の弓 伝説によれば、影の弓はデイドラのノクターナルから鍛造されたものである。伝説的なレンジャーであるラエルラス・ガイルは、極秘任務のためにこの弓を授けられたが、失敗してしまい弓は消えてしまった。ラエルラスは盛んに戦った末に敗れたが、弓に助けられ多くの敵をみち連れにしたと言われている。この弓は所有者に透明化の特殊能力と速度上昇を与えてくれる。度重なる影の弓の目撃が報告されており、第二紀の邪悪なダークエルフの暗殺者、ドラムも一度この弓を手にしたことがあると言われる。 ランダガルフの拳 ベガリンクランのランダガルフはタムリエルの歴史に、スカイリム出身の最強戦士の1人として名を残している。彼はその武勇と戦闘でのどう猛性で知られており、多くの戦いで帰趨を左右した。王者ハラルドがスカイリムを征服したとき、ランダガルフは最後を遂げた。王者ハラルドはこの偉大な英雄を尊敬しており、ランダガルフの篭手を自分のものにした。王者ハラルドの死後、篭手は消えた。王者はランダガルフの拳は所有者の腕力を上昇させたと話していた。 君主の氷剣 君主の氷剣は真にタムリエルでもっとも珍重される秘宝の1つである。伝説によると、邪悪なアークメイジのアルミオン・セルモは、よく目にする氷の精霊の強形である氷の君主の塊で、偉大な戦士のクレイモアに付呪したとされている。戦士スルグナー・アッシは、遥か遠くの国の偉大なる王者暗殺の一端を担い、そこの新しい指導者となるはずであった。しかし、暗殺は失敗してしまい、アークメイジは投獄されてしまった。氷剣は、その刃に触れる者すべてを凍らせる。この剣は、次から次へと所有者を変え、一ヶ所に長く留まることはない。 環境の指輪 この貴重品に関して知られていることは少ないが、この指輪は着用者に、周囲の環境に溶け込む特殊能力を与えてくれると言われている。 使徒のブーツ 使徒のブーツは真の謎である。誰も見たことがないが、噂によると、着用者は浮揚することが可能であるらしい。 指導者の指輪 この指輪は、どのウィザード見習いにも珍重される所持品である。この指輪は、着用者に知力と英知を上昇させる特殊能力を与えてくれるので、魔法利用の効率が向上する。コウトウウィザードのカルニ・アスロンが製作者であると言われている。彼の指導の下で学んでいた、若い見習いのために作った製作品である。アスロンの死後、リングおよび他の所持品のいくつかが消失し、以後それらはタムリエル全土を巡っている。 風の指輪 この指輪に関する事実は何も知られていないが、この指輪の名前といくつかの噂から、着用者に追加速度を与えると考えられる。 吸血の指輪 吸血の指輪は、タムリエルの秘宝のなかでもより危険かつ珍しい秘宝である。この指輪には相手の体力を盗む特殊能力があり、それらを着用者に与えると言われている。指輪の確実な性質とその由来は全く未知である。しかし、多くの年長者たちは、その昔、吸血鬼信奉者の教団による、モロウウィンドでのその指輪の邪悪な製作について語っている。吸血の指輪は極めて珍しい秘宝であり、月の何百周期か毎にしか見られない。 エレイドンの防護 エレイドンはブレトンの歴史に登場する伝説の聖騎士である。彼はその武勇と、すべての不正を正そうとする決意から、人気の高い男であった。ある物語の中で、彼は男爵の娘を邪悪な将軍の手による確実な死から救ったと言われている。報酬として、男爵は財のすべてをなげうって、エレイドンのために魔法の盾を作らせた。その盾は、エレイドンに傷を治癒する機会を与えた。 ヘイズドキの杖 ヘイズドキはとても負けず嫌いなウィザードであったと言われていた。彼は全土を歩き回り、彼より優れたウィザードを捜し求めた。知られている限りでは、彼の挑戦に応えられるウィザードは見つからなかった。多くの人々が彼の力を恐れたため、彼は寂しさと孤独を感じ、自らの生命力を彼自身の杖に結合させ、今なお彼の魂はそこに残っている言われている。タムリエル全土の魔法の使い手がこの魔法の杖を探している。この杖は所有者にマジカからの保護を与え、どの魔法使いにとっても確かな貴重品となる。 血虫の兜 虫たちの王はとっておきの血虫の兜を置き忘れていったと伝えられている。この兜は魔法によって形成された骨でできていると伝えられる。この兜は利用者に、スケルトンの召還とアンデッドの操作を許す。死霊術師にとっては珍重される秘宝となるであろう。 竜骨の鎧 キュイラスは、収集家または英雄が手にできる、最高の秘宝の1つである。本物の竜の骨でつくられており、第三紀初頭、初のインペリアル魔闘士ズーリン・アルクタスによって付呪された。これは真にこの上なく素晴らしい作品であり、多くの人々が捜し求めた。このキュイラスは着用者に、炎耐性と爆炎による敵への攻撃力を与える。ズーリン・アルクタスがどのようにキュイラスの付呪に関わったかについてはあまり知られていないが、昔話は彼が旅をしている戦士に借金があったと語っている。 スカルクラッシャー スカルクラッシャーは非常に大きく強力な武器である。この戦槌はウィザードドラッチ・グサルによって魔法を燃料とする火のなかで作られ、卓越した武器鍛冶職人ヒルボンガード・ローラマスによって鍛造された。鋼鉄は魔法により鍛えられ、武器の重量は驚くほどに軽いため、さらに強力で痛烈な殴打が繰りだせる。この戦槌は祝祭にて飾られる予定であったが、盗賊に先を越されてしまった。スカルクラッシャーは今も製作者を探してタムリエルを旅している。 ゴールド・ブランド この魔法の剣はほぼ完全な謎である。それの黄金作りのことや、実際に北の太古の竜によって鍛造されたなどと盗賊が話を広めている。彼らの物語によると、それは竜を守ると誓った偉大な騎士に与えられたとされている。その剣は所有者に、炎ダメージを敵に与える特殊能力を授ける。ゴールドブランドは、最近の歴史では目撃されておらず、値する英雄を待っていると言われている。 ハイネックトゥナメットの牙 ブラック・マーシュはかつて、アルゴニアンがワマサスと呼んでいた生き物が生息していたことで知られている。北方の男達はワマサスを、稲妻を血に持つ知的な竜であると考えていた。そのうちの1匹である巨大な獣、ハイネックトゥナメットは北方の男たちによって殺されたが、大勢の男たちと7日間、連日連夜かかった。生き残った男のうちの1人は、戦利品として牙を家に持ち帰った。牙は刃の形に削られ、小さなダガーに仕立てられた。そのダガーは不思議と獣の魔法の特性のいくつかを保有しており、所有者に敵への雷ダメージを可能とする特殊能力を与える。 ウンブラの剣 ウンブラの剣は太古の魔女ナエンラ・ワエルによって付呪され、その唯一の目的は魂の捕獲である。魂石と同時に使うと、敵の魂を石のなかに封じ込める機会を所有者に与える。ナエンラは邪悪な創作が理由で処刑されたが、その前にこの剣を隠すことができた。ウンブラの剣はその所有者に関してはとても選り好みするので、値する人物が見つかるまでは、隠れたままである。 デンスタッグマーの指輪 このリングに関して知られていることは、利用者に特定の要素からの保護を与えるということだけである。名前、デンスタッグマーでさえ謎である。 オレイン・ベアクローの兜 オレイン・ベアクローはヴァレンウッドの伝説の英雄の1人である。王者ファウムの息子で、クランの狩人として尊敬されており、将来の指導者だった。ウッドエルフの伝説は、オレインがエルフの森の魔女、グレンヒャファンヴァを1人で倒し、永遠に彼のクランに平和をもたらしたと伝えている。オレインはその後、数多くの偉業を成し遂げ、最終的にはナハテン風邪によって命を奪われた。彼の兜は彼の偉大さの記念碑として、未来の世代が忘れぬよう飾られた。クランが分散したため、結果的に兜は失われてしまい、今は冒険者たちの貴重な秘宝となっている。オレイン・ベアクローの兜は着用者の敏捷性と持久力を上昇させると噂されている。 デイドラの三日月刀 おそらく、すべての偉大な貴重品の中でも、最も珍しく、さらに非合法とされた品はデイドラの三日月刀であろう。その刀は、メエルーンズ・デイゴンのデイドラ部隊によって、インペリアルのバトルスフィア攻略時に使われた。これらの非常に独特な刀は、帝都がバトルスフィアを奪還した際に、束ねられ破棄された── 1本以外は。帝都はすべて破棄されたと信じているが、タムリエルのどこかにいまだに1本だけ存在すると噂されている。しかし、その刀を見たものはいない。刀は所有者に、敵に大打撃を与え、麻ひさせる特殊能力を授け、敵の鎧に大きな消耗を与える。もしも存在するのであれば、偉大な戦士にとって素晴らしい宝であろう。 デイドラの神像関連 戦士ギルド関連 神話・宗教 茶1 魔術師ギルド関連
https://w.atwiki.jp/tes5/pages/60.html
デイドラ 「デイドラ」は元々エルフの言語で「祖先でない」という意味。デイドラは複数形。 単数形は本来デイドロスだが、単数でもデイドラと呼ばれる。デイドロスはデイドラの一種の名前として使われることが多く、やや紛らわしい。 定命の者が住む次元ムンダスの創造に参加しなかった神々で、オブリビオンの次元に住んでいる。 パドメイの流した血から誕生した力ある超常の存在のため、基本的に可変にして不死であり、肉体を破壊されても死ぬことはなくそのうち復活する。 デイドラの中でもデイドラロードと呼ばれるものは強大な力を持つ神のような存在で、オブリビオンの次元に独自の領域を持ち、下級のデイドラを従えている。 彼らは極端な性質を持っているため概ね邪悪とされるが、そもそもデイドラが持っている価値観が人間とは違いすぎるため、善悪という基準は当てはまらない。 そのため、ダンマーやオークのように種族としてデイドラロード信仰を公に行っている者たちもいる。 エイドラと異なり、デイドラロード達自身も程度の差こそあれ人間の世界に頻繁に干渉し鑑賞する。 とはいえその力がエイドラを上回っている訳ではなく、単純に次元が近いのと彼ら自身の趣向故だと思われる。 少なくとも前作でデイゴンはアカトシュに敗れており、またアカトシュの障壁内では、デイドラロードですら満足に力を振るえない。 強大ゆえか、はたまた不死者ゆえか、概ね人間ら「定命の者」をかなり見下しており、暇潰しに人々の運命を弄び残酷な目に合わせることもしばしば。 その反面、勇者、忠義者、さらには自身に対する反骨者でさえも、気に入った者には褒美や恩恵を与えるある種の清清しさも併せ持っている。 プレイヤーにも毎度絡んでくるため、個々の性格や実態等の情報がエイドラに比べ圧倒的に多いのも特徴。 時には彼ら自身が足を掬われる事例も散見されるが、それすらもまた彼らの掌の上の出来事なのかもしれない。 アズラ ボエシア クラヴィカス・ヴァイル ハルメアス・モラ ハーシーン マラキャス メエルーンズ・デイゴン メファーラ メリディア モラグ・バル ナミラ ノクターナル ペライト サングイン シェオゴラス ジャガラク ヴァーミルナ アズラ 宵と暁の女王にしてバラの母、夜明けの女王の異名を持つデイドラロード。 モロウウインドにおける善きデイドラの一柱で、彼の地では死後はアズラの元へ行くとされる。 大抵の地域では比較的温厚なデイドラロードとして知られている。実際自らに従順な者にはかなり優しく、 信者に関しても人生相談等それなりに対応する(*1)が、基本的に弱者は切り捨てる思想を持ち英雄を好む。 神としてのプライドも高く、身をわきまえない輩には例え信者といえど一切容赦しない(*2)。 カジートの創造に一枚噛んでおり、彼らはアズラもエイドラとして扱っている。 実はシェオゴラスと仲が良く、たまに定命の者で賭け事をすることもある。 ダークエルフにとっては切っても切れない存在で、彼らからの信仰は場所・時代を問わず非常に篤い。 スカイリムの山中には、モロウウィンドから逃げてきたダークエルフ達が建造した巨大な神像が聳え立っている。 人の生死を扱うという特性上、闘技場の闘士や軍人など、命を懸けて戦う職業につく者にも信仰されている。 他のデイドラロードに比べて信者も穏やかで、一般社会にも比較的受容されているデイドラロード。 彼女の支配する領域『ムーンシャドウ(Moonshadow)』は、咲き乱れるバラが滝の流れる白銀の都市を囲む、目も眩むほどに美しい広大な庭とされている。 ノクタナールとは姉妹関係にあるらしい(出典:英語版「アズラの祈り」)。(*3) ボエシア 謀略の神でありモロウウインドにおける善きデイドラの一柱として知られている。 ダークエルフ贔屓を公言しており、帝国が存在する以前の苦境に立たされた彼らに対して知略を授け、建築の方法や固有の文化を作らせるなど様々な手助けを行った。 一般的に血を好む無慈悲な筋肉質の男神だと考えられているが女性と言う説もあり、スカイリムでは女神として崇められている。 また、定命の存在を使った武闘大会を開くこともある。 『スネークマウント(Sneake Mount)』と呼ばれる彼の領域は、捻じれた塔の立ち並ぶ謀略と裏切りに支配された巨大な迷宮庭園として表される。 クラヴィカス・ヴァイル 子鬼の姿をした契約を司る神であり、実はTESシリーズに最もよく出演している。傍らにバルバスという喋る犬を連れている。 この犬は過去にクラヴィカスの契約を破ったせいで犬になる呪いをかけられた定命の存在である。 お使いの後に割に合わないアイテムを渡す事で有名だが、前作で主人公が渡したウンブラに刺されて逃げられるという失態を犯した。 シロディールに吸血病を流行らせた存在でもある。 彼の治める領域に名前は無く、腐敗した風が吹く長閑かつ奇妙な田園の広がる世界とされている。 ハルメアス・モラ 過去や未来を見通せる力を持つデイドラロード。他のデイドラロードが人の形に近い事に比べて極めて異質な形をしている。(*4) 古くはノルドにアトモラの悪魔とも呼ばれていた。メファーラの兄で、彼女を崇拝するモラグ・トング創設にも関わっている。 彼のアーティファクトは一見するとボロボロの古びた本であるが、それに秘められた知識はこの世のどんな本をも遥かに凌駕する禁断の書物。 彼の司る領域は、ありとあらゆる禁じられし知識を記した黒い本が無限に並ぶ書庫『アポクリファ』。知識を求める者が最期に辿り着き、死後も永遠に彷徨い続けるという。 今作では他のデイドラ神と比べて優遇されており、レベル条件が高く、祠が辺境にあったせいで知らない人もいたと思われる前作とは違って色々はっちゃけていらっしゃる。 ハーシーン デイドラのスポーツとしての狩りを司る神であり、定命の存在を獲物と見立てて狩りを行う儀式を好んでいる。 狩られる側としてこの儀式に参加した場合、追いつめられた際に一度だけ見逃してもらえる。その後ほぼ確実に殺されるが。 もしも逃げきったらその証としてハーシーンの皮膚を用いて作った救世主の皮鎧を得られるという。 強大な獲物に狩人が打ち倒すのを見物するのが趣味だが、獲物が狩人を返り討ちにしても喜んだりと狩りがどう転んでも楽しんでいる。 人狼病を作った張本人であり、それが元で3作目の主人公を狩りの対象にしたことも。 結果的には、デイゴンと異なり彼なりのスポーツマンシップに則って狩ろうとした結果、逆に狩られる失態を犯した。 更にはシェオゴラスに煮え湯を飲まされた事もあり、気合を入れて創り出したデイドロスを盛大に自爆させられ大恥をかいたりとよく弄られている。 自分勝手に色々とやらかしてはいるが、狩人であれ獲物であれ、強者であれば人間にもある程度敬意を持って接する上に、 強者を賞賛し加護を与える辺り、悪辣なデイドラロードの中では比較的マシな部類に入る。 今作では人狼化が復活した為、選択肢次第では人狼にとって非常に有用なアーティファクトを授けてくれる。ある意味シリーズ最大級の活躍である。 ちなみに人狼病はただの病気ではなく、人狼となった者の魂は死後ハーシーンの支配する終わりなき迷宮の領域『ハンティンググラウンド』に招かれ、永遠の狩りに興じると言われている。 鬱蒼とした密林と広大な平原で構成された彼の次元に迷い込んだ定命の者達は、住人である獰猛な獣達に狩られるのみとなる。 マラキャス オークの神であり拒絶・追放された人々の後見人としての側面を持つ神。元々はトリニマックという名のエイドラであり、 ボエシアに敗れてその身を食らわれた後に出された糞が怨念によってマラキャスになったと伝えられている。 そんな存在故か他のデイドラを嫌っており、デイドラ殺し専用のアーティファクト「厄災」を作成している。(*5) 他のデイドラロードからは同格とみなされていないが、16柱に数えられるだけはあり、その力は同様に絶大である。 オークをとても好んでいるが、オークが統べるオルシニウムでは色々事情もあってトリニマックの名を語る偽物扱いされている。 そのオーク好きは凄まじく、プレイヤーがオークの場合はあからさまに態度が軟化し優しくしてくれるほど。 それだけに、シェオゴラスに騙され自身が寵愛を与えたオークの親子を自ら手に掛けたときは号泣した。 以前の作品でも主人公にオークの功績を横取りしたダークエルフへ天誅を下させたりしている。 今作ではオークたちのヘタレ振りに辟易しているが、田舎の一オークの顔・名前・性格を個別に把握しているのは流石の一言。 煤煙の王宮とも呼ばれる彼の領域『アッシュピット(Ashpit)』は、全てが塵によって形作られた次元であり、定命の者には凡そ到達不可能とされている。 メエルーンズ・デイゴン タムリエルでデイドラ絡みの事件があると、大抵裏にいる破壊、変化、変革、活力、野望等を司るデイドラ一の暴れん坊。 何かしらの機会があるとタムリエルに現れ諸国を荒らし回った後英雄等に殺されてオブリビオンに強制送還させられるが、 死なない特性のせいで何度でもやってくる非常に迷惑な神(*6)。モロウウインドでは超えるべき荒野とされている。 喋りたがりだが無知であり、傍若無人な態度を取る定命の存在を面白がる等アズラとは正反対の性格をしている。 前回ラスボスだったせいで本編ではお蔵入りしたアーティファクト(*7)が再登場するが、相変わらず脳筋らしくない性能の仕上がり。 他のデイドラロード達からはかなり受けが良く(*8)、タムリエル侵攻の際は配下を貸してもらっているようだ(*9)。 アカトシュ直々にボコられたにも拘らず、今回も笑いながら人間の運命を弄ぶ辺り、全く懲りていない様子が伺える。 前作の舞台ともなったオブリビオン界『デッドランド(Deadlands)』が彼の領域である。 メファーラ 蜘蛛として知られる両性具有の神で、モロウウインドにおける善きデイドラの一柱に数えられている。 殺人や性交、秘密等扱っている物はどう考えても善とは言えないが、 ボエシアの様にダークエルフに少数で戦いに勝つ方法として暗殺を教える等、モロウウインドにとって役に立っている為善い側に数えられている(*10)。 定命の世界への手出しに生きがいに感じている節があり、歴史の転換期に彼女やその信者の名前が出てくる事もある。 公的な暗殺集団モラグ・トングを設立しており、非常に重用されてはいるがそのやり口(*11)に不満を覚えている。 蜘蛛の巣のように張り巡らされた水晶のトンネルが暗黒と死の海に浮かぶ闇の次元『ウェブ(Web)』が彼女の領域とされている。 メリディア 生命の活力を司っているデイドラで、その正体は謎が多く元々エイドラだったのではないか?とも考えられている。 ニルンに漂う死霊やそれを操る死霊術師、それらに関する神を毛嫌いしており、祠に訪れた冒険者に彼らの抹殺を命じることも。 今作でもそのスタンスはブレず、不死者を退ける聖剣(*12)を造っていたりもする。 スカイリムでは信者が居ないどころか、自身の祠を死霊術士に占拠され、挙句聖剣を利用されてしまい、主人公に討伐と奪還を命令。 「"聖剣を振るい、我が威光を世界に知らしめよ"」等と言う辺り、どうやら慢性的な信者不足に陥っている模様(*13)。 名前の元はおそらくMeridianという英単語。太陽が最も高い位置にある時間を意味する語。 死霊術やアンデッドを嫌う神として良き神のように見えるが、謎が多く、 信者といえど逆鱗に触れれば、町ごと沈めてしまうような危険性も持つ。 今作ではアーティファクトが変わってしまったが、伝説の盗賊が身に着けていたという透明になれる指輪「カジートの指輪」を気に入った信者に授けていた。 眷属であるオーロランの住む『カラードルーム(Colored Room)』と呼ばれる次元が彼女の領域である。 モラグ・バル 定命の存在を奴隷にし、支配しようと画策するデイドラ。ニルンに不和の種をまいて高潔な人間を堕落させようと様々な試みを行なっている。 元々は二足歩行のワニのようなデイドラ、デイドロスでそこからデイドラロードにまで成り上がった。その為ごくまれに他のロードに使われている様な描写がある。 ボエシアとは不倶戴天の仲で信者間の衝突もあり、モロウウインドの氏族(*14)を滅ぼそうとした輩の中にモラグ・バル崇拝者がいたこともある。 レイプの王という凄まじい異名を持つが娘の教育方針は厳しいらしい。吸血病を作りモロウウインドに蔓延させたと言われている。 実はデイドラロードで一貫して人類の敵に近いスタンスを取っているのは、彼とメエルーンズ・デイゴンくらいだったりする。(*15) 生と死の輪廻を覆す能力を持ち、死んだ人間を生き返らせることができる。吸血病もまた、定命の者の死を死なせなくすることでアーケイの秩序を破壊する意味がある。 多くの場合、モラグ・バル信仰は邪教そのものであり、人を拉致して生贄に捧げるような危険な集団もいる(*16)。 彼の領域『コールドハーバー(Coldharbour)』は、ニルンが荒廃したような空間として表され 汚泥の様な大地、空は炎に覆われ空気は凍て付き、納骨堂と奴隷檻が立ち並ぶ最も混沌とした次元とされている。 ナミラ あらゆる悪霊や邪霊を統べ、多数の治療不可能な病を操るデイドラ。彼女の信者は魅力的な人物や光を嫌い小規模の集団を作って薄暗い遺跡等で暮らす事を喜ぶ。 基本的に穏やかなデイドラだが信者たちの暮らしぶりをよしとせず、光の側に無理やり戻そうとする輩には徹底した態度を見せている。 不浄、不貞、不潔、不明、不義などともかく道徳的に悪しきに近いものを良しとするためか、タムリエルでも受けが悪く、教団にも優先的に対策されるほど(*17)。 今回は首チョンパすら解禁された日本語版でも規制せざるを得ないほどの、衝撃の展開を披露してくれる。スタッフのキ○ガイっぷりがよくわかるクエストである(*18)。 過去にタムリエルを旅して回った事があり、その際に一人の人間を弟子にした。 嘆きに満ちた人間の魂が捕らえられた永遠に続く砂の島『スカトリングヴォイド(Scuttling Void)』が彼女の領域とされているが、そこから帰ってきた定命の者は居ないため詳細は不明。 ノクターナル 盗賊達にそれなりに愛されている夜の女王。その異名通り暗い空間を統べる為、盗賊たちからある程度(*19)の崇拝を受けるが、 同時に力比べとして様々な物を盗まれる可哀想なデイドラ。基本的に穏やかな性格らしく盗まれたからといって即座に殺したりはしないようだ。 が、実は盗賊ギルドすら知らない『ナイチンゲール』と呼ばれる凄腕の盗賊3人で組織された使者を有し、盗賊たちを裏である程度制御している。 さらに暗闇のほかに『運』を司っているらしく、盗賊たちの運命と明日のご飯は彼女が握っているとも言っても過言では無いらしい。 他の神と違い定命の者に信仰を求めない(*20)為、教団等は殆どが自称で彼女に認められているのは実質ナイチンゲールのみ。 しかし当のナイチンゲールにすら自分たちからの見返りが何なのか分かっていない等、創設理由があまりはっきりしていない。 信者の扱い方(*21)や人間との色恋沙汰が描かれた書物が残っている事から、少々他のデイドラと考え方が違うのかもしれない。 今回はカラスと一緒にご本人も直接登場。やっぱり物を盗まれているが彼女の定命の存在の扱い方を垣間見ることができる。 作中屈指のセクシーで美しい御姿と、ツンデレ(*22)な性格をお披露目してくれる。 支配する領域は影の次元『エバーグローム』。彼女に仕えるナイチンゲールたちは死後を此処で過ごす。 他にも、過去において多数の砦で構成された領域の所有が確認されている。 アズラの姉らしい(出典:アズラの祈り) ペライト オブリビオンにおける下層階級の秩序を司るが、疾病も担当していると言われている四本足の竜。通称親方。 信者の面倒見が良く、一見さんな冒険者の扱いも比較的良い。 ロード画面で「"ドラゴンの姿をしているが、その実最弱のデイドラロード"」等と書かれているが真偽は不明。(*23) どの道人間から見れば山が高いか空が高いかの違いであろうが。 オブリビオン界の最下層に位置する支配領域『ピッツ(Pits)』は、デイドラの徘徊するデッドランドに似た奈落の次元であるとされる。 サングイン 快楽を司る神。食って騒いでを愛する馬鹿騒ぎ好きなデイドラだが、名前のサングインが持つダブルミーニングとして血が出る様な事態も楽しむ残忍な側面を持つ。 4のキーキャラクターだったマーティンが、若いころに崇拝して痛い目にあった神でもある。(*24) 司ってるものがものだからか娼館等そっち系のお店で名前が使われる事が多い。 今作ではなんと本人が直接登場。彼のクエストは信者や神像越しだったり、声だけでドヴァキンをこき使うほかの連中とは一線を画す変わったものになる。 更にはこれまでにも矢鱈と現界しては酒場で飲んで騒いでを繰り返していたことも判明。おそらくデイドラの中で一番人の生を満喫しているデイドラロードである。 今作で訪れることになる『霧の森』をはじめ数万以上の領域を支配するが、大抵は享楽のために使われるという。 シェオゴラス 狂気を司る老人の姿をしたデイドラ。理解不能な言動の中に真理を盛り込んでいるのか、単に適当に言ってるだけなのか判断に困る狂った爺さん。 その正体は謎に包まれ様々な憶測を生んだ。TES4での展開により登場が若干危ぶまれていたが、無事続投することが出来た。 残酷で狂気に満ちてはいるが、時折知的な面を覗かせたり、好々爺然としてユーモアに富んだ発想をしたりと憎めない御仁。 暇潰しと称して、他のデイドラロードに知恵比べを挑み面目を叩き潰すという困った趣味を持つ。なんと書籍化もされている。 支配するオブリビオンの領域は、マッドハウスとも呼ばれる狂気の次元『シヴァリング・アイルズ』。異世界めいた他のデイドラロードの領域とは異なり緑あふれる大陸である。 住人もデイドラよりも定命の者のほうが多く生活しており、現世から移住したシェオゴラスの信奉者が暮らす都市も存在する。 一期一会のトゥルットゥー! ジャガラク 秩序を司るデイドラ。シリーズ初期よりその存在と名前は示されていたものの、その詳細はまったく謎に包まれていたデイドラロード。 前作の追加DLC「Shivering Isles」にてついにその姿を現した。 かつてはデイドラロードの中でも抜きんでた力を持ち、一時はオブリビオン界全域に影響力を持つほどであったらしいが自由と混沌を好むデイドラ全般と相反するその性質、 自らの奉ずる秩序のみを重んじる説得不可能な性格を危険視した他のデイドラロードたちの呪いにより狂気の王シェオゴラスへと変えられていた。 猪突猛進で曲がったことは大嫌いな脳筋デイドラなので、ジャガラク自身はシェオゴラスになる事を非常に嫌がっており 一定周期で秩序の神としての神格を一時的に取り戻し、その度にシェオゴラスの領域シヴァリング・アイルズに「グレイ・マーチ」と呼ばれる大災害を引き起こしていた。 堅き秩序を象徴してか、その外見はさながら水晶で組み上げた巨人。実際に今作に登場する巨人族より頭一つ大きいほどの体躯を誇り、これまた巨大な大剣を振るう肉体派。 ヴァーミルナ 夢の世界を支配するデイドラで、彼女が見せる夢は悪夢だけだという。変幻自在に変化する性質の悪い夢らしいが起きた時には恐怖した事以外を忘れる。 女性として描かれるデイドラの中では唯一老婆として知られているが、夢と同じく自身の姿も様々に変えられる、らしい。 彼女もまたシェオゴラスに嵌められ、長い時間を掛けて才能を開花させたお気に入りの人間を連れて行かれた屈辱の逸話がある(*25)。 エイドラのマグナスとよく関連付けられており(*26)、彼のグレた娘ではないかと考えられてもいる。 悪夢と苦痛の満ちる領域『クァグマイア(Quagmire)』は、轟く雷光とともに次々と怖ましい光景が移り変わる恐怖の次元とされている。